受動意識仮説という仮説がある事を皆様はご存知でしょうか。
(脳はなぜ「心」を作ったのか: 「私」の謎を解く受動意識仮説 前野隆司 - 筑摩書房, 2010)
提唱した方は、この本を書いた先生らしいです。
簡単に説明すると、指を曲げる時に"それを決定した意識"よりもっと前に"脳内では信号"が送られている。
つまり、脳が決めた事を、意識があたかも"自由意志"で自分が決めたと錯覚しているという仮説です。
この仮説は私が唱えたものではございませんが、どうしても納得がいかなかったので、自分なりの考えを仮説にしてみました。
実験などのデータにより、"脳"と"意識の自由意志"どちらが先だったかは確認されています。
しかし、この実験では"指を曲げる事"などのデータであり、あれもこれも全ての事で"脳"が先なのでしょうか。
実験の領域で、"ミクロ"な事に限定した結果、受動意識仮説が誕生したと考えています。
さて、ここで分かりやすいメカニズムを一つ考えてみます。
"大企業の社長さん"の登場です。
こういった例えをしている意見も拝見した事がありますが、"受動意識仮説の肯定"の話でした。残念です。
進めてみます。
大企業の社長さんは、果たして"事務"や"経理"など細かな仕事を全て"意思決定"しているでしょうか。
答えは"ノー"であり、事務員さんや経理の担当者がコツコツと決めて働いている事でしょう。
社長さんは後で報告を受けるだけです。
しかし、社長さんは"全て自分が決めている"という"ある種の感覚"があると思います。
これはまさに「受動意識仮説」ですね。
「大規模の組織には当たり前のように存在しているメカニズム」、ただこれを発見したという事に聞こえませんか?
それなら気持ち良く納得できる説明も付けられます。
"意識の自由意志"は、細かな事は"後で報告を受けるだけ"でありますが、"重要な事"や"大きな意思決定"は全て行っていると考えています。
意識が意思決定する時に"自由意志のような幻想を見ているだけ"ではないのです。
"意識"は、やはり"大企業並みの組織の社長さん"なのです。
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